フロントエンド開発におけるステート管理は、React の普及とともに進化してきました。
Redux、MobX、Zustand、Recoil など、数多くの状態管理ライブラリが登場してきましたが、近年では「API を中心に据えたステート管理」が新たな潮流となっています。
この記事では、API を主軸にしたステート管理の考え方と実践方法をわかりやすく解説します。
API中心のステート管理とは
API中心のステート管理とは、アプリの状態の多くをローカルに保持せず、
「API が状態の真実のソース(Single Source of Truth)」という前提で設計する考え方です。
無理にグローバルステートを膨らませず、API から取得したデータをそのまま UI に反映するため、シンプルで管理しやすい構造になります。
メリット
・状態の同期ズレが起きにくい
・コードの可読性が高い
・キャッシュ戦略が立てやすい
・ページやコンポーネントをまたいだ共有が容易
API中心アプローチが注目される理由
従来は「すべての状態をローカルで持つ」設計が一般的でした。
しかし最近では次の要因から API 中心の考え方が強く支持されています。
・フロントエンドアプリが肥大化して複雑化した
・クライアントサイドの状態が増えすぎると破綻しやすい
・API が高機能になり、サーバー側で多くを処理できるようになった
・React Query / SWR の台頭により API を扱う体験が向上した
React Query や SWR による API 中心管理
React Query や SWR は、API と UI の橋渡しを極めて自然に行うライブラリです。
特に React Query は次の機能により、API 中心設計を圧倒的に楽にします。
・データフェッチの自動キャッシュ
・リアルタイム更新(リフェッチ)
・エラーハンドリング
・ローディング状態を自動で管理
・ミューテーション(POST/PUT/DELETE)も一元化
React Query の基本コード例
import { useQuery } from '@tanstack/react-query';
function GameList() {
const { data, error, isLoading } = useQuery({
queryKey: ['games'],
queryFn: async () => {
const res = await fetch('https://api.example.com/games');
return res.json();
}
});
if (isLoading) return <p>Loading...</p>;
if (error) return <p>Error occurred</p>;
return (
<ul>
{data.map((game) => (
<li key={game.id}>{game.title}</li>
))}
</ul>
);
}
このように、ステート管理ライブラリを使わずとも API がそのまま状態の役割を果たします。
ローカルステートを最小限にする設計
API 中心のアプローチでは、ローカルステートは次のような UI 状態のみに限定されます。
・モーダルの開閉
・フォーム入力値
・タブ選択状態
・一時的なフィルタ状態
データの実体はすべて API が持ち、それを React Query などで扱うことで状態ズレのリスクはほぼ消えます。
API中心アーキテクチャが向いているケース
・CRUD が多いアプリ
・データ更新を頻繁に行うアプリ
・チーム開発でステート管理が乱れやすい環境
・API が安定しているサービス
まとめ
ステート管理は複雑になれば破綻しやすい分野ですが、API 中心アプローチを取ることでコードはシンプルになり、保守性が高まります。
React Query / SWR のようなライブラリを活用することで、従来のような大規模なグローバルステートは不要になり、状態の扱いはより直感的になります。
今後、API ファーストなステート管理設計はますます一般的な選択肢となっていくでしょう。



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